意匠とは ?
 同じような性能、価格の商品が店頭に並んでいれば皆さんはデザインの優れた商品を選ぶでしょう。商品のデザインは商品の販売に重要な地位を占めています。このデザインが「意匠」と呼ばれ、その保護を図るための法律が意匠法です。法律の言い方をすれば、「意匠とは物品(物品の部分を含む=部分意匠)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美観を起こさせるもの」ということになります。

出願
 意匠は工業製品に施されるものですから、製品(物品)を特定しなければなりません。その特定は願書の「意匠に係る物品」の欄に意匠法施行規則別表の物品リストから選んで記載します。物品リストにない製品は、より近いレベルで記載し、「意匠に係る物品の説明」の欄で説明します。願書には、通常は正面図、背面図、左右側面図等の正投影図法による六面体を一組とした図面を添付します。図面に代えて写真、ひな形、見本を提出することもできます。

審査
 方式審査が通過すると、意匠の実体審査が行われます。願書に複数の物品を記載したり、出願前に公知の意匠や刊行物に記載された意匠と同一か類似でないか、先願の意匠があるか、出願意匠が創作が容易か、等の意匠を拒絶する要件が審査されます。これらの要件に適合しないと拒絶理由通知が発せられ、これに応じて意見書や手続補正書を提出し、拒絶理由が解消すると登録査定になりますが、解消できないときは拒絶査定となります。

登録
 登録査定の謄本の送達があった日から30日以内に第1年分(数年、あるいは20年全部をまとめて納付することもできます)を納付すると、意匠登録原簿に意匠権設定の登録がされ、意匠権が発生します。

権利期間
 意匠権の存続期間は設定登録の日から20年をもって終了します。

特殊な意匠登録出願

1 部分意匠についての意匠登録出願
 本来、意匠権は物品の全体についてのデザインに認められるのが原則です。しかし創作した物品の「部分」について独創的で特徴があるとき、例えば果物ナイフの「柄」に特徴があるときは部分意匠として意匠登録出願をすることができます。
2 操作用画像を含む意匠についての意匠登録出願
 例えば、携帯電話の通話者選択画面のような、物品がその本来的な機能を発揮できる状態にする際に必要とされる操作に使用される画面デザインについても部分意匠として保護されます。
3 関連意匠制度
 出願前にすでに一般に知られていたり、先に出願されているものに類似する意匠については出願しても登録にはなりません。しかし、意匠は一般の要求に応じて改良を加えて使用することが多いものです。また、わずかな変更を加えて他人に模倣される危険もあります。そこで、権利者を保護するために、自己の登録意匠にのみ類似する意匠については、例外として関連意匠として意匠登録ができることになっています。
4 秘密意匠制度
 意匠は、登録後意匠公報に掲載して一般に公示されますが、登録になってもまだその意匠の実施に取りかからないようなとき、他の業者に知られたくない場合などに秘密意匠として出願しておきます。設定登録の日から3年以内であればその指定した期間中は秘密が保てるわけです。
5 意匠登録出願の分割
 二以上の意匠を包含する出願、例えば一の物品形態を図面で表し、「意匠に係る物品」を複数記載した場合は、意匠法の一意匠一出願の原則に違反しますので、一物品の出願になるように「分割」した意匠登録出願をしなければなりません。

 他に特殊な出願の態様に、「補正却下後の新出願」、「変更登録出願」があります。