実用新案とは ?
 特許制度は比較的高度な発明を対象としていますが、ちょっとした工夫が産業上大いに役立ち、日常生活に便宜を与えることからいわゆる小発明といわれる「考案」を保護するため実用新案制度が存在します。
 実用新案法では、「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」に限定されますので、これに該当しない「方法」や「製造方法」は特許の独壇場で、実用新案法の保護対象とはなりません。

出願
 願書に明細書、実用新案登録請求の範囲、図面(必須です)、要約書を添付して、出願手数料及び登録料第1年〜第3年分と共に提出して行います。

審査
 実用新案は、早期権利保護のニーズに対応するため、新規性や進歩性等の実体審査を行わず早期登録制度(特許と異なり「無審査主義」といわれます)が採用されています。 無審査主義といっても、実用新案の保護対象でない考案や、実質的に出願書類の体を為していない出願がそのまま登録されることのないように、その出願が法令様式に従って作成されているかという「方式要件」及びその実用新案が満たすべき「基礎的要件」が審査されます。
 「基礎的要件」とは、前述の「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」に該当するか、一つの出願として単一性の要件を満たしているか等が特許庁の審査官によって判断されます。

登録
 方式上の要件及び基礎的要件を満たした出願は、実体審査を経ずに実用新案権の設定登録がされます。すなわち、実用新案原簿に登録されて実用新案権が発生します。

権利期間
 実用新案権は、実用新案登録出願の日から10年です。
 実用新案の出願時に第1年から第3年分の登録料は納付していますので、第4年から第10年分の登録料を1年ごとあるいは一括して納付することになります。ちなみに第4年分は設定登録日から3年経過前(前年以前)に納付しなければなりません。

技術評価の請求
 実用新案権に基づき侵害訴訟提起など、権利を行使する場合は、特許庁が作成する「実用新案技術評価書」を提示して警告をした後でなければ、侵害者等に対して権利を行使することはできません。
 これは、登録要件など実体審査を行わずに登録される実用新案独自の制度です。
 出願人(何人もいつでも)の「実用新案技術評価請求書」の提出により、権利の有効性を判断する材料として、審査官がその考案の先行技術文献に基づいた新規性、進歩性などに関する評価を行い請求人に送付されます。
 特に、平成16年7月28日より、新規性がないという評価に関する理由説明が付され従来より、評価書がよりわかりやすいものになりました。

実用新案登録に基づく特許出願
 平成17年4月1日以後にした実用新案登録出願は、出願の日から3年以内に限り、自分の実用新案登録に基づいて特許出願をすることができます。この場合実用新案権を放棄しなければなりません。

訂正請求
 実用新案は、通常の補正が出願日から1月以内とされ、明細書等の補正の機会が殆ど無く、実質的な訂正が認められていませんでした。
 特に評価書を取得した後の明細書等の検討、あるいは無効審判を請求されたときの対抗手段に実質的な訂正ができるようにとの要請がありました。そこで、平成16年改正法によって、実用新案登録請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明につき1回のみ訂正が認められることになりました。